学校じゃ詳しく教わんなかったそこんトコロ
服飾専門学校を卒業してから半年が過ぎた。
学生だったときは、個性!技法!個性!みたいなどちらかというと個人プレーが主でまあグループワークもあったけどそんなでもなかった(と今は思える)(けどもうやりたくない)
毎日好きな服を着て髪を染めて赤い口紅を付けて友達と支え合いながら日々を過ごした。
そして現在
某アパレル企業に就職し、今は販売員として働いている。
言わばアパレルの川下の立場になった。
するとどうだろうか、今まで習ってきた個性など通用せず万人受けする服を、外国から大量生産された縫製もまちまちなださい服を、おしゃれに興味のない、ただ安さに惹かれて買っていく人達に笑顔でヘコヘコ売る日々である。
…あれ…
社会人6か月目、学校では習わなかった
「アパレルは死んでいる」
という現実を学んでいる。
私が働いている店は大体どこのショッピングセンターにもあって、中学生~60代と幅広い客層が来店する。
定価1990円の服がたくさん並ぶ店内でそれを高いと言われる。
割り引かれて500円くらいになるものだけをまとめ買いしていく。
気に入って自分にも似合ってたら割引じゃなかろうと買うものではないのか。服って。
私自身、古着が好きでほとんどセレクトショップや古着屋さんへ行き買い物をする。
値段を見ないわけではないが、購入の一番の動機は「気に入ったから」である。
多少の無理をしてもこの服は私のために作られたんだ…(大真面目)と思って買ってしまう。
高度経済成長期の洋裁が盛んだった頃
竹の子族が原宿を占拠していた頃
ワンレンボディコンで扇子を仰いでいた頃
安室奈美恵になりたくて厚底を履いた頃
誰かを愛し街を愛し服を愛していた時代が確かにあったはずなんだ。
それが今やどうだ。
こぞってUNIQLOの様な価格を下げた売り方をして(UNIQLOのことは嫌いではないです決して)消費者を手懐けようものなら手懐けられているような状態(値下げがエスカレートする一方)
お金より大事な、着るとテンションが上がるとかそんなこと、無いのかな。
純粋に誰しも持っているオタク気質(アイドル、本、ディズニーなどなど)でどこにお金を注ぎ込んでいるかは人それぞれであり、個人の自由。
それがたまたま私は服でたまたま服に興味のない層に触れて落ち込んでいるだけかもしれない。
しかしそれを踏まえてもなお
アパレルは死んでいて
私たちは予算に追われ、安値で買う客相手に泣きながら笑顔でショッパーを手渡すのである。